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2014-10-31唱歌「四季の雨」 [童謡・唱歌]




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 唱歌「四季の雨」尋常小学唱歌(六)大正3年(1914)

1.降るとも見えじ春の雨、水に輪をかく波なくば、
けぶるとばかり思わせて。降るとも見えじ春の雨。 

2.俄に過ぐる夏の雨、物ほし竿に白露を
なごりとしばし走らせて。俄に過ぐる夏の雨。 

3.おりおりそそぐ秋の雨、木の葉木の実を野に山に
色様々にそめなして。おりおりそそぐ秋の雨。

4.聞くだに寒き冬の雨、窓の小笹にさやさやと
更けゆく夜半をおとずれて。 聞くだに寒き冬の雨。(日本唱歌集 岩波文庫2003)

 今ではあまり歌われなくなった唱歌だと思います。私は習いませんでしたし知りませんでした。新訂尋常小学唱歌第六学年 昭和7年(1932 )にも再録されているので歌われなくなったのは戦後のことだと思われます。四季それぞれに降る雨の特徴を捉えた佳品だと思います。

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私なりに歌われなくなった理由を歌詞、曲、それぞれについて考えてみようと思います。それがこの曲の個性とも思うからです。

歌詞・・・ 1番、水に輪をかく波なくば、けぶるとばかり思わせて。などは具体的イメージをかなり全面に押し出していて美しいですが、冒頭と結尾が同じ歌詞になる構成では、春の特徴をいうのに7音+5音の2連だけでは言い切れず、使用名詞が抽象化の原因になっている気がします。2番-物干竿、白露も、4番-窓の小笹、更けゆく夜半、も同様です。その点3番は上手くいっていると思います。以上全体は景物を心にしっかりイメージすればカバーできると問題であるともいえます。景物を歌ったものでは同六学年の「おぼろ月夜」がありますが、色彩のイメージのまとまり、時間の経過の巧みさ、歌う者にいわんとする風景を再構成させる点、比してこちらはよりよく成功していると思います。

曲・・・8小節目、半終止ですがその3拍目はVの和音ではとれません。全編にわたるそれぞれのアウフタクトに和音が設定されているのかいないのかが判然としません。これは5音階で書かれた旋律の弊害、つまり和声と同時に旋律が発想されていないのではないかという疑問をおぼえる点です。和声的リズムのあいまいさ、それが5音階旋律が浮遊してしまう原因だと思います。これは「おぼろ月夜」にも少なからずいえることです。

ですがこの曲、私は好きです。歌われないのは残念です。必ずや自作の「だれでも弾ける やさしい童謡・唱歌」の第二集を編む機会があれば必ず加えさせていただきたいと思います。上記指摘した点が編曲の要点になろうかと思います。

 

平野達也作品の試聴はこちら↓

平野達也:編曲 童謡「青い目の人形」(オーケストラ版)

平野達也:編曲 童謡「七つの子」(オーケストラ版)


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TABUCKY

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