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2014-10-30ショパン吉田秀和 [音楽]




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 吉田秀和のショパンについての文章

「ショパンは、世界中の人に愛された。だから、その人たちの中には、当然、音楽についての素人も含まれているわけだが、しかし、ショパンを弾くためには、本来ならばピアノについて何かの未熟なものがあってもいけないだけでなく、彼の音楽は「音楽」について未熟なものの残っているものの手に届かないところにあるのだ。要するに、ショパンは素人のための音楽家とは正反対の芸術家だった。彼が、莫大な愛好者をもっているのは、たまたま、ロマンティックな時代に生まれあわせ、ロマンティックな音楽の色彩と香りをふんだんに発散する作品を書いたからである。ロマンティシズムは、あの魅惑に富んだ旋律や、はなやかな和声法の衣装となって、彼の作品とは切っても切れない関係にあるのは事実だが、しかし、それは彼の芸術のそんなに深い層を啓示している要素ではなかった。ショパンの天才は、それらのはなやかな衣装を、一皮、むいた中にある。」(吉田秀和作曲家論集4シューマン 音楽之友社 2002 P.8) 

第4巻「シューマン」での記述、もちろん第3巻に「ショパン」もあります。
多少聴衆拒否の辛辣さはあるものの、ショパン観については、まさしくその通り。卓見卓説だと思います。ショパンの特長は堅牢な楽曲構造とそれに資する高い技術にある、と私もずっと思ってきました(バラード、スケルツォetc.)。
あるのですね、このように自分の感慨を他人がこうもはっきりと言明してくれることが・・・。・・・嬉しい。そして不思議と安心します。まさしくその通り!

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