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2015-07-21唱歌「ローレライ」2/2 補遺-現代語訳 [童謡・唱歌]




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有名な歌の格調が高いのは文語ゆえではなく、また今では文語ゆえに敬遠されるのであろう「ローレライ」という唱歌を思い、作品の良さを思うがゆえに、私感ながら佳いと思えた現代語訳があったので掲載しておこうと思い立ちました。

「ローレライ」作:ハイネ、訳:赤井慧爾

どうしてなのかわからない,
こんなに悲しいのが.
遠い昔の言い伝えが
忘れられないのだ. 

風は冷たく,たそがれて,
静かにライン河は流れて行く.
山の頂は輝いている,
夕日を浴びて.

いとも麗しい乙女が
妙なる姿であそこの上に坐っている.
金の装身具はきらめき,
その乙女は金髪をといていた. 

黄金のくしでときながら
歌を口ずさんでいた.
この世ならぬ
力強い旋律だった. 

小さな舟の船乗りは
激しい悲しみに囚われた.
岩礁は目に入らず,
見えるのはただ岩の上だけだった.

波が最後には
船乗りと舟をのみ込んだのだろう.
それをしでかしたのは
ローレライの歌だった. (「ゲーテの詩とドイツ民謡」赤井慧爾、東洋出版1993

(コンマ、ピリオド、改行も訳文の通り) 

現代語でもって美辞麗句にこだわらない、質実、真率な言葉が、そしてそれら全体の雰囲気が胸に迫り来るように私には思えました。
訳者赤井氏はドイツ文学者、この真率なる訳出にもコンマ、ピリオドへのこだわりに見えるように、その深い学に支えられた賜物なのでしょうが、私にはそれを分析する力はありません。ただ読むだけです。 
氏は訳詩に付けてこう述しておられます。「リズムは、頭拍の3脚韻で(民謡調なので、各行末に1詩脚の休止を加えて読む)、脚韻はababと規則正しい交差韻である。」 

こういう一見飾りのない言説がドイツ詩のもつ雰囲気と重なります。読んだり、曲を付ける時にも重要な態度のように思えます。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平野達也:編曲「ローレライ」(オーケストラ版)https://www.youtube.com/watch?v=zDPDoqQepcU   


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Stevinvirl

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