2015-07-17ニカズ・ドリーム〜内容抄(2/2) [ジャズ]
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ニカズ・ドリーム(Nica's Dream)曲:ホレス・シルヴァー(Horace Silver/1928-2014)
'56年のJM盤*を参考に気になった点、あまり触れられないであろう点を選んで、幾つかあげたいと思います。
(パーソネル:ドナルド・バードtp.ハンク・モブレーts.ホレス・シルバーp.ダグ・ワトキンスb.アート・ブレイキーds.)
1.曲、アレンジについて・・・テーマ3小節目、メロディーは6度音、オブリガードは長7度音から(音程M7-m7-M6,すなわりちG-Gb-F) 。このメロディーの6度音とオブリガードの長7度音が同時に鳴るところが何とも気持ち良いです。6度音と7度音は理論上、一緒には鳴らないものなのです。このような使い方は見ません。新鮮。
2. コード進行(アドリブ時)について
前半の最後の部分、
|Abm7 |Db7 |GbM7 |Cm7b5| F7 | |BbmM7 | ||
・・・本曲はこのように演奏しますが、
普通は、
|Abm7 |Db7 |GbM7 | |Cm7b5| F7 | BbmM7 | ||
・・・のように定型化したくなります。違いはGbM7が1小節なのが本曲、2小節なのが一般的定型です。IIm7-V7-Iで進行するジャズにおけるコード進行イディオム(定型)においてトニック、即ちGbM7とBbmM7がそれぞれ2小節ずつあるべきところ、等価であるべきところが破られています。結果、本曲ではF7が2小節になってしまいます。しかし各自のアドリブはCm7b5より柔軟度の高いF7においてアイデアに溢れた展開をしているのでこの破格は正解であるように思えます。たかが1小節のことですが私には大きく感じられます。
3.各アドリブについて
本当は譜面に起こし例示すべきですが、言葉で参考に供したいと思います。一番よいと思えるのはH.モブレーのソロです。ドナルド・バードがメロディアスであるのは〜JM風のトランぺッターの伝統なのでしょうが〜ブルーノートは必ずアイデアの中にあります。そして数あるIIm7-V7において7thがそのフレーズ組み立てのアイデアの中心のように思えます。一方のH.モブレーの方は常に9thが念頭にあるようです。勿論ブルーノートがないわけではない、しかし3コーラス以降のソロの秀逸さはある種の広がりであり、そのクレバーさと正確さをいうのであれば、ドナルド・バードとはアイデアが違うところに注目をしなければなりません。またパーカーフレーズが適所に出てくるところも全体のバランスを支える要因だと思いました。
ホレス・シルバーは徹頭徹尾ホレス・シルバーであり、我々の期待をやはり裏切りません。
2015年7月18日(土)19:30〜 P.平野達也、B.岸政彦、D.弦牧潔
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◇十三トミーズ http://tommys13.web.fc2.com/Top/Tommys.html
2015年8月15日(土)19:30〜 P.平野達也、B.未定、D.弦牧潔
◇ザットフォーhttp://zattofour.com/
2015年8月22日(土) 19:30〜 P.平野達也、B.未定、D.弦牧潔
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平野達也作品の試聴はこちら↓
平野達也:作曲 I.「シンフォニア・クビカ」 〜 『シンフォニエッタ・クビカ』吹奏楽のための三章より https://www.youtube.com/watch?v=deEr78JVUDw
平野達也:作曲 II.「ロマンツァ・メリカ」 〜『シンフォニエッタ・クビカ』吹奏楽のための三章よりhttps://www.youtube.com/watch?v=DohLVx7LBq4
平野達也:作曲 III.「フィナーレ・クビカ」 〜 『シンフォニエッタ・クビカ』吹奏楽のための三章より https://www.youtube.com/watch?v=VqbgTeCc15Q
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