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2017-01-11プロコフィエフの和声76〜バレエ「シンデレラ」第1幕第3曲「シンデレラ」 [音楽]




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第3曲「シンデレラ」(Cinderella)
聴いていて面白いのは練習番号24のHp.もPianoも入ってくるところ(Piu animato)でしょうが、発想として興味を惹かれるのはその前、練習番号23番の弱音器付きのTp.のところです。

Tp.はH-durの音使いですが、その下のVc.とCb.の短9度の跳躍の音使いは目立たないながらも斬新です。それぞれ短9度跳躍してH-C,Cis-D,その次は長7度跳躍してDis-D,Cis-Cとなります。これらは全て半音で移行する群でH-C-Cis-Dまで上行しDisからは下降します(Dis-D-Cis-C)。Tp.のフレーズのバス音として明確にH音があるのですが、そのH音を半音で装飾しているというアイデア、その半音を短9度、長7度という音程に変換するという考え方でこの部分は作曲されています。

研究のための資料、第3曲(6'10''〜) https://www.youtube.com/watch?v=ize83QoDSb0 

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平野達也、平野達也トリオ今後の予定    
2017年1月19日(木)平野+宗竹デュオ Open:19:00/Start:19:30〜、21:00〜、mc:¥2.000-   
2017年1月20日(金)京都、祇園、KeyStone 「平野達也ソロジャズピアノの夜、Vol.11」21:30〜、22:30〜 テーブルチャージ¥1.000-mc:チップ制    
2017年3月11日(土)なんば、B-Roxy、20:00〜,21:30〜 P.平野達也+Vo.ki-ku 
2017年4月7日(金)八戸ノ里、蓄音機、P.平野達也、B.財盛紘 19:30〜、21:00〜 mc:¥2.000- 


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2017-01-10プロコフィエフの和声75〜バレエ「シンデレラ」第1幕第2曲「ショールの踊り」 [音楽]




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第2曲「ショールの踊り」(Shawl Dance) 曲の構成は複雑で明確に分かる繰返し等がない曲。奇想天外、奇抜な構成と言えるでしょう。

練習番号6(11小節目)からの和声について取り上げてみます。
cis-mollの主和音からの次の和音、下からGis(記譜上はAs) -C-E,cis-mollの主和音のCisが半音低められた和音で増3和音に化しています。その上に1Vn.が乗せる音はEのdiminish(E-G-B-DE-Des)、つまりは増3和音の上にdiminish(減7)の和音が乗っているということになります。これはcis-mollの主和音との交代で現れるインパクトのある和音として設置されているという役割の上にある和音です。大変興味深い和声です。

研究のための資料、第2曲「ショールの踊り」https://www.youtube.com/watch?v=UqMKNXTZJXM

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平野達也、平野達也トリオ今後の予定    
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2017-01-09プロコフィエフの和声74〜バレエ「シンデレラ」第1幕第1曲「イントロダクション」 [音楽]




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バレエ「シンデレラ」(1944)は3幕全50曲にものぼる大作。プロコフィエフはこの作品と交響曲第5番、ピアノソナタ第8番(戦争ソナタ中の最後曲)でそれぞれスターリン賞(第1席)を獲得しています(第1席以外の受賞歴多数有)。「ロメオ・・・」の成功がこの曲の成立の直接的な契機であったでしょう。

先達の作品や音楽を毎日垣間み、音楽について何かしら考えること、これは音楽家(作曲家)にとってとても大切な事だと思います。
プロコフィエフの抜きん出た多作は謂わば、自然に見えます。その自然とは、次の言葉「作曲しない一日というものは想像もできなかった」(「プロコフィエフ」井上、音楽之友社、p.149) という、誰に強いられることなく他人からすれば不自然で風変わりなことであっても、作曲家にとって、彼にとっては、極々当たり前のことであったのです。

さて、全50曲を目の前にして豊穣な森の前に今踏み入らんとするような気持ちがします。 ざっと2、3曲通読しただけで登場人物の指示動機(ライトモティーフ)があるようですが、きっとそういうことは世の中にたくさん便利な書物がありますので、例えば「作曲家別名曲解説ライブラリー」(音楽之友社)などにも載っていることでしょうから、私は私の視点で豊穣な森の中をさまよい歩きたいと思います。

第1曲「イントロダクション」* 3分程の、そしてきれいに割り切れた三部形式。きっと最後の方に書き加えられたのでしょう。作曲とはそういうもの、プロコフィエフもそうでしょう。

冒頭の主要旋律(この旋律は最重要)の中身はe-mollのIの和音の和声外音(ais,dis,fis,・・・)を意図的に含み込んだアイデアで書かれます。これが感覚として悲痛さのような現象、その感情表出の原因だと思われます。Cb.のE1(通常の楽器の最低音)という低音もその感覚に加味している要素といえます(このバレエにはC1という音も出て来る。所謂現代的なCb.)。宿命や、悲痛な感覚・・・。またその旋律を担当するのは弦では1Vn.とVc.ですが、木管の方はHn.からCl.に引き継がれます。これは音域上の問題と冒頭のインパクト、その両方を満足させた解決法(オーケストレイション)だと見ます。

中間部(Poco meno mosso) のHp.のアルペジオに彩られた和声のゆっくりした流れは今までとは対照的に、天上的で非常に美しいものです。Va.のアルペジオだけ見ていては微細な変化に気付くことができません。Va.は下からF-A-Dを奏してもHp.は変化する音D-H-C-Hを持ちます(中間部12小節目)。 また更にアルペジオに関していうとリズムを違えています。Hp.は6連/4分音符、Va.は32分音符。Va.の細やかな(リズムの)土壌の上に柔らかな(緩やかなリズムの)Hp.の’うつろい’ があるということを見逃したくはありません。

研究のための資料 第1曲「イントロダクション」https://www.youtube.com/watch?v=7gFTqSslsVs 

*邦題は全てアシュケナージ指揮、クリーブランド管弦楽団のCDのものを使用

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2017-01-08プロコフィエフの和声73〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第7曲アレクサンドルのプスコフ入城 [音楽]




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第6曲「死の荒野」(Ms.独唱)は和声的に特に言及するところはないので割愛。
第6曲参考音源 https://www.youtube.com/watch?v=9FFDAt_9eVs 

第7曲アレクサンドルのプスコフ入城(Alexander's Entry into Pskov) 
この堂々とした合唱を見ると、同じ調性ということもあってか交響曲第5番の第1楽章は政治的配慮(抑圧)で書かれたのではないか、またそのような色彩が強いのではないか、という考えが頭をよぎにます。もちろん全く違う音楽なのですが第5番を遠くから見るような気がするといったところでしょうか。 

練習番号84(Meno mosso ♩=138)からは第5曲氷上の戦いその3でふれたペトルーシュカに似た部分が回帰します(http://t-hirano.blog.so-net.ne.jp/2017-01-05)。部分と部分を結びつける俯瞰的構成力はプロコフィエフの技量です。

最後の大合唱カンタータの大団円の和声に言及して「アレクサンドル」を終えたいと思います。
Bb:|Bb-D/Bb|Bb-Bb+|Eb/G  |C/G-Ab/G |Eb-Ebm |F/Eb-Eb |Bb    |Bb  |CM7   |C7 or Cm7(omitEb) |
Gm/C-Gm7  ・・・・ 

1小節目のD/Bbは次のBbへのものではなく和声的装飾。2小節目のBb+とは違うことに注意したい。3小節目の第1転回形は常にこの配置というくらいにこの響きが選ばれています(Eb/G)。6小節目はクラッシック的には逆進行(D→SD)。9小節目からの3小節間は目立ちませんが常に良きものを求める作曲者の姿勢が窺えます。B(H)音→Bb音の流れが和声的アクセントになっています。

コードネームでは表しませんでしたが最後のトニックの直前小節Cm7/Eb(B:II6/iv)の1拍目でTb.はH音(解決音、半音上行C音)を叫びます。この半音上行の流れはその前の数小節から始まるものですが、その解決音は既に他の楽器に常になっています。つまりTb.だけがオクターヴダブリングで和声外音を担当しているということです。これは悲痛さの響きというよりは、より良く、全てが解消される協和和音への順当な階梯的処置だと思われます。いわば力のクレッシェンドではなく技術のクレッシェンドの一例と言えるでしょう。(カンタータ、アレクサンドル・ネフスキー おわり) 

第7曲参考音源 https://www.youtube.com/watch?v=CbcesEZTbIo 

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2017-01-07プロコフィエフの和声72〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第5曲氷上の戦いその6 [音楽]




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第5曲「氷上の戦い」はその後他要素(民謡的旋律、転調的高揚,Perc.etc.)を合流させさらに高まりを作っていきますが、一点取り出すのであれば練習番号55の4小節前から導入される和声、強拍上のBbMajorとの交代に弱拍にある和音はEbのaugment.この二つの和音を縫うように半音のアプローチノートがスタッカートで終始それに絡まり付きます。いわゆるプロコフィエフ自身が自作の傾向について語った3.トッカータ又はモーターの線、というものそのものです。

そして打楽器群はここではハープのみですが、それらを加えて不協和度を高めながら前進する様はあの「スキタイ組曲」をも彷彿とさせます。つまりこの1938年(映画版)、ソヴィエト圏内という状況の中で、かなりの当時流でいうと「西洋臭い」または「形式主義的」な作風が爆発している個所といえます。

この曲に関してこのような記述があります。
「映画監督エーゼンシュタインと組んだ「アレクサンドル・ネフスキー」のための音楽(1938)は成功し、それをもとにした同名のカンタータOp.78(1939)も国際的な成功を収めた。 」(「ロメオ」第1組曲、解説、山口博史、全音2005)

ここに引用した山口氏の解説の中には「ただ私には彼も一人の政治による犠牲者だという気がしてならない。」(前掲書p.7) というシンパシーに満ちた意見がありますが、このような内容を持つこの楽曲の「国際的成功」という記述には結び付かない気がします。
なぜなら、1938、1939年とは最も政治的圧力の高まった時であり、その時の作品に「スキタイ」にも通じるようなプロコフィエフらしい筆致で書かれた曲があるということは、少なくともこの曲に関しては「政治的犠牲者」というものはあてはまらないと思うからです。

もちろんショスタコーヴィッチ共々、常にその動向を探られているような立場ではあったでしょう。しかし大方の具体性を欠いたそのような大きな見方は、個々の作品や筆致を埋没させてしまいかねないという危惧も持ちます。
この曲が国際的評価を得たのであれば、プロコフィエフの帰国後の作品には多かれ少なかれそのような反体制的なもの(同時に不変のもの)が通底しており、それは政治的犠牲というよりは、むしろ静かに政治と戦っていた、と言った方がより適切ではないのかという気持ちを抱くのです。それはショスタコーヴィッチも、またその後輩たちも同じなのでしょうが。

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終了御礼
2017年1月6日(金)八戸ノ里、蓄音機、P.平野達也、B.財(たから)盛紘、D.弦牧潔
お越し下さいました、S子さん、S路さん、Hmさんいつもありがとうございます!熱心に聴きにきて下さる方がいらっしゃるからこそ原動力につながります。
ドラムの弦牧は急病で出演できず申しわけありませんでした。
次回このセットは4月7日金の予定です。
終演後のミーティングで、このセットは少しクラッシックの方に舵を切ろうかということになりました。Keyもジャズでよく使うおざなりのKeyだけでなく、曲でしたら例えばビル・エヴァンスのシンフォニックオーケストラのようなクラッシックからの引用とそれへの斬新なハーモ二ゼイションのような・・・。今後の平野+財+弦牧にご期待下さい。
ベースの岸は芥川賞候補になり多忙のため長期休業です。 

蓄音機20170106.JPG
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2017年4月7日(金) 


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2017-01-06プロコフィエフの和声71〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第5曲氷上の戦いその4 [音楽]




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アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)の第5曲氷上の戦いは、クライマックスだけあって、帰国前のプロコフィエフのスタイルを散見し長らく取り合っています。

練習番号50(Allegro)はなお一層思い切った斬新さがあります。

コーラスのモットーでもある中央(音域)の保続G#音の上下にはC/Eが鳴らされます。コーラスのG#はSop.のG#5〜バスのG#3までとHn.のG#4とG#3,もちろんフォルティッシモなのでa2です。

上はPicc.のC7,Fl.a2でここにG6の音が、Ob.がa2でC6,Cl.もa2でC6,下は1Vn.がC6+E5(2Vn.dubl.)Va.はその1oct下(C5+E4),低弦がE3+G2(Vc.)とG2+E2(Cb.)という配置になっておりモットーG#5〜G#3の3octに渡るそれぞれの音とは1oct離していることは意図的です。つまり増1度関係では鳴らないということです。ここにただ単なる不協和だけを求めたものではないことが分かります。
CMajorの和音の5度の上方変位(augument)ではないことはG音の存在で明らかであって、つまり中央のモットーG#音がC/Eという和音の中に悲痛に鳴り響くという音楽現象ということになります。 

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当日告知
2017年1月6日(金)八戸ノ里、蓄音機、P.平野達也、B.財盛紘、D.弦牧潔、19:30〜、21:00〜 mc:¥2.000- 
平野達也Trio今年最初のライブ。そして蓄音機さんも今年最初のライブ。幸先よくスタートできるようがんばります。ベースの財(たから)君とは2回目の共演。いつももと違った化学反応をご期待下さい!

蓄音機20170106.JPG

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2017-01-05プロコフィエフの和声70〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第5曲氷上の戦いその3 [音楽]




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その後の練習番号46、ペトルーシュカの一節に聴こえます。Hn.以外は直接的には和音としては書かれませんが、謂わばこの部分は「線的和声」という言い方ができる個所です。Hn.はa2で和音、上からH-EとA-Fisの交代(ここでのブレスが取れるオーケストレイションは一見の価値有)。

Hn.意外の単音声部は3種類が用意されています。
1.C-D-E-F#-G-AというC-Lydian7thのBbが無いもの(Fl.Ob.muted Tp. )
2.Cb-Bb-A-Bb というBbを半音で装飾するもの(EH.Tsax)
3.E-F-Gb-FというGb(F#)を装飾するもの(Bcl.Bn.)
プロコフィエフによくあることですが、2.はCbという1.には無いHn.の音(H)を支援する音ではあるがBb音をここに加えるという意味を持つ。
同様にして3.はHnと1.のF#音を支援する音ではあるがF音をここに加えるという意味を持つ(ここのオーケストレイションはブレスに対する配慮だけでなく、休符を挿入することで音の重なりにズレが生じ新しい響きが生まれるという現象をも引き出しており二重に音楽に貢献した書法であることに注目したい)。 

このような不協和な音の持ち込みがこの部分のおもちゃ箱のようなガチャガチャした音楽を形作っている原因です。 
そしてこれは意識してかしないでかかなり前衛の旗手と目された時期の音使いのように思えます。

https://www.youtube.com/watch?v=5F6e9mI1bGU   

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2017-01-04プロコフィエフの和声69〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第5曲氷上の戦いその2 [音楽]




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第5曲氷上の戦い、C#mのオスティナートが明けて、開けて出た場所はフォルテ3個の指示を持つまたプロコフィエフらしい和声に出会うことができます。

基層が下からH-F-D、その上部に上からE-D-F、もちろんD-Fは共通音ですが、E-D-Fという音塊性は合唱声部の配置からもそのように表現することを求めています。これは帰国以前の「白鍵による和音」という発想と言えます。交響曲の第3番や弦楽四重奏第1番で見たようなその時代の発想です。局所ではあるがこういうものに出会うとプロコフィエフの作風の一貫性、つまり帰国前と帰国後では音楽技法上のスタイルは変っていないのではないかという考え方を改めて強く持ちます。もちろんこのアレクサンドル・ネフスキーにしても、扱う題材は体制に従う「外面的変化」はあっても(スターリンは自身を歴史的な中で英雄視されることを好んだという)、その鈍角的な丸みを帯びた外面的変化ほどには、技法は鋭角的なものを保持している例ではないでしょうか。

この練習番号43の和声は、和音記号では取りにくい音塊性をもった音の並びの「カタチ」であることは、次の練習番号44で同形の更に不協和音化したことでも証明がつくでしょう。上からA-Gis-H,バスはDのみ。先のE-D-Fより意図的に不協和度を上げており、その発想が、上部が2度でその下に6度が付くという「カタチ」の変化形であることに着目します。

https://www.youtube.com/watch?v=5F6e9mI1bGU  

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2017-01-03プロコフィエフの和声68〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第5曲氷上の戦いその1 [音楽]




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第5曲氷上の戦い(The Battle on the ice)
Moderato♩=92に入ってからはオスティナート上に展開する音楽的高まりという捉え方でよいでしょう。 
オスティナート上に堆積するものの中に第3曲「プスコフの十字軍」の動機が目立って混入され、同じくCis-mollの旋律的短音階による装飾も再現されることは第3曲との連携を強く感じさせます。

繰返し毎に音勢が増していくのは楽器数の付加にもよるのでしょうが同一和音(C#m)への装飾音の増加も見逃してはならないところでしょう(半音のアプローチノート)。そのような繰返しの在り方に生真面目さや計画性、「まめ」な性格のなせる音楽の書かれ方を感じます。この件に関して楽器の付け加わり方に多少マーラーのシンフォニー的なものも感じられます。それは意識されていたわけではないでしょうが木管のダブリングはそのように感じる部分が多々あります。

オーケストレイションのことに少し傾いたついでに、これはカンタータであるのに、合唱部分が歌というよりシュプレヒコールに終始してしまっているところは(歌詞の意味は分かりませんが)歌に関しては物足りなさを感じてしまいます。 

参考音源(これが映画本編とそれに付された音楽かは不明)https://www.youtube.com/watch?v=vKZPgGbUuX0

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2017-01-02プロコフィエフの和声67〜アレクサンドル・ネフスキー(カンタータ)より第4曲立て、ロシアの人々よ [音楽]




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「立て、ロシアの人々よ」(Arise,People of Russia)は曲名からしてかなりイデオロギッシュなものです。19世紀の史実を現代(1938年)に持ち出しています。
管楽器はBb音、弦楽器はGM7という曲の始まり。 楽譜の強烈さはそれほどでもない。
歌の主部(Cm)の後の中間部はE-dur?(Fes)らしき3度調が選ばれているのはよく目にするプロコフィエフの発想です。Ait.とBs.アルトとバスに引き継がれるその後の旋律は賛美歌に近いくらい穏やかなもの。 
シンバル(susupennded)と タムタム(tam-tam)と同時に鳴るものは鐘(Campana)です。

https://www.youtube.com/watch?v=5F6e9mI1bGU 

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