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2016-10-05プロコフィエフの自伝1〜その正確性について [音楽]




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プロコフィエフの自伝は「エフゲーニ・オネーギン」Op.71(1936)、「3つの歌」Op.73(1936)で突然終わります。この自伝は雑誌のために起稿され、生立ちから1936年(45歳)までを記したもので、書かれたのは1941年プロコフィエフが50歳の時です。ですからこの後1953年で没するまでの12年間の作曲活動からうみだされるバレエ「シンデレラ」Op.87(1940-1944年)、有名な交響曲第5番Op.100(1944年)はこの自伝に登場しません。1935年のロミオとジュリエットへの言及は含みますが、その成功がこの短い自伝が書かれることになった直接の原因かもしれません。最も脂ののった時期。

セルゲイ・セルゲイビッチ・プロコフィエフ(1891-1953)にはふたつの自伝があるといいます。翻訳で読めるのは短い方の自伝。この短い方は「音楽的活動、作品への思考や背景がつづられている」からこそ翻訳され一般に供されたのでしょう。短い方は実利的といえそうです。

ひとつの疑問。それは自伝とは正確なものかということで、幼少時代や学生時代の記憶が正確なものかどうか、記憶の欠落や潤色があるのではないかという疑問、この疑問は思い返せば全ての自伝にもいえることです。しかしこの疑問はプロコフィエフの場合には無用のようです。それは訳者が長い方の自伝から引用した部分にプロコフィエフの特徴が書かれています。「幼少時から、私は何でも紙に書き残しておくことが好きな性質を有していた。」また「(自伝を書く)素材はもう手元にある。唯一残されていることは、有名になることだ。」また「自伝を書くことへの興味はもう消えていたが、これらの貯まった書類を一体どうしたらよいのだろう?」(自伝、前書きより)

プロコフィエフはきっと想像以上に筆まめであり、このことがこの自伝を信頼できるものにしているといえそうです。しかしあくまで私の場合は補助資料と考えたいと思います。

もちろん残された最大の資料は楽譜だと考えてのことです。

プロコ自伝.jpg 「プロコフィエフ 自伝/随筆集」田代薫訳 音楽之友社,2010

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平野達也、平野達也トリオ今後の予定   
10月7日(金)、なんば、B-Roxy、平野達也トリオ、P.平野達也、B.岸政彦、D.藤木亨,20:00〜、21:00〜、http://www.b-roxy.com/  ※mc:未定
10月15日(土) なんば、B-Roxy、20:00〜,21:30〜 P.平野達也+Vo.ki-ku、
http://www.b-roxy.com/  ※mc:未定
10月21日(金)京都、祇園、KeyStone 「平野達也ソロジャズピアノの夜、Vol.8」21:30〜、22:30〜 テーブルチャージ¥1.000-mc:チップ制
12月16日(金)神戸Always、Tp.横尾昌二郎+平野達也トリオP.平野達也、B.未定、D.弦牧潔 http://always-kobe.net/ mc:未定
12月23日祝 京都・四条、シルバーウィングス、クリスマスライブ(仮)15:00〜

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平野達也作品新規出版「ペンテコステ」〜吹奏楽のための祝典序曲〜
発売元ディスクリエイトミュージックの「ペンテコステ」のページは、こちら↓ 
http://discreatemusic.hatenablog.com/entry/2016/05/16/113049
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