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2015-07-27ドイツ民謡6-日本で知られるもの1 [音楽]




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日本でも馴染みの深いと思われるドイツ民謡を選んで列挙していきます。(ここでは性質を異にしますので「菩提樹」「野ばら」「きよしこの夜」「もみの木」は省略しました。)
「ドイツ民謡珠玉集」40曲中に収録されており日本でも馴染みの深いものは全部で6編でした。(「別れ」「故郷を離るる歌」「ローレライ」「あの雲のように」「うるわしのアウグスティン」「夜汽車」以上6編。)
凡例『 』は邦題、「 」は原題(ドイツ語) 

1.『別れ』「Abschied(Muß i denn」
曲:シュヴァーベン地方民謡
詞:1番が民謡、2番3番がは編曲者ジルヒャーの求めにより、チューリンゲンの学生H.ヴァーグナーが作詞したと伝えられる。( 「ドイツ民謡珠玉集」p.57)
日本語訳詞:不明 (初出不明)
私が通った小学校の土曜日の集団下校時にかかっていた音楽です。とても懐かしい。今になってこの曲が「別れ」という題名をもつものと知りました。原詩は友人との別れではなく、許嫁(いいなずけ)とのしばしの別れです。 

muss i denn.png 

2.『故郷を離るる歌』「Abschied von der Heimat」
曲:フランケン地方民謡
原詩:ホフマン・フォン・ファラスレーベン
詞:吉丸一昌(大正2年1913年「新作唱歌第五集」)
♫ 園の小百合 撫子 垣根の千草・・・・
 (Wenn ich an den letzten Abend gedenkで始まる別の歌詞の方を多くの人はとるが、私はホフマン・フォン・ファラスレーベンを原曲とした。故郷を離れることがあれば足ることがその理由です。)

3.『ローレライ』「Die Lorelei」
曲:ジルヒャー
原詩:ハイネ
訳詞:近藤朔風(明治42年1909年「女声唱歌」)

4.『野ばら』
曲:ヴェルナー
原詩:ゲーテ
訳詞:近藤朔風(明治42年1909年「女声唱歌」) 

5.『霞か雲か』「Fruhlings Ankunft」
曲:民謡?
原詩: 民謡?
詞:勝承夫(昭和22年1947年「四年生の音楽」) 
「小学唱歌集(二)」明治16年1883年のものは詞:加部厳夫(かべいずお) 

6.『かっこう』「Der Kuckuck」
曲:民謡
原詩:民謡から後にホフマン・フォン・ファラスレーベン(?)
詞:岩佐東一郎(昭和22年1947年「三年生の音楽」) 
♫ほら ほら ごらんよ。白雲がながれるよ・・・ 
私は・・・♫かっこう かっこう しずかに・・・と習った気がします。(詞:小林純一)

上記にみるように、明治期以来ドイツ民謡は日本の中にも浸透していることが分かります。次回さらに続けてみたいと思います。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平野達也:編曲「野ばら」(オーケストラ版)https://www.youtube.com/watch?v=JT4Uoyqw-fg

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平野達也トリオ・ライブ
◇十三トミーズ http://tommys13.web.fc2.com/Top/Tommys.html  
2015年8月15日(土)19:30〜  P.平野達也、B.畠山令、D.弦牧潔    
◯ザットフォーhttp://zattofour.com/
2015年8月22日(土) 19:30〜 P.平野達也、B.波戸就明、D.弦牧潔
◯ザットフォーhttp://zattofour.com/
2015年9月26日(土) 19:30〜 Vo.ロアナ・シーフラ、P.平野達也、B.山本学、D.弦牧潔 
△バー蓄音機(近鉄八戸ノ里徒歩3分)06-1307-0080
2015年10月5日(月) P.平野達也、B.山本学、D.弦牧潔 
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コメント 4

崎山言世

故郷を離るる歌の原曲・原詩について関心があります。吉丸先生に尋ねても、分からないと、要領を得ませんでした。吉丸先生自身は、前妻ゆきさんと子どものへの鎮魂歌であるらしいことを話していらっしゃいます。たしかに、膝を浸すほどの涙を流すとは相当の感情の高まりがあったものと見られ、単に遊学で上京するといった程度ではない、故郷との別れがあったと推測されます。かつて原詩どおりの訳になっていないとか、悪い歌詞の見本だとかいう人もいました。しかし、園の小百合、撫子、垣根の千草という言葉の羅列にこそ、吉丸先生のほとばしる情感が表れていて、美しい手向けの情景を思い浮かびます。
ぜひ、さらなる調査研究をお願いします。
by 崎山言世 (2015-07-27 21:25) 

t-hirano

崎山さん、いつもありがとうございます。
「故郷を離るる歌」、私が見たものは以下のファラスレーベン作詞のものです(第1節のみ。本来は第4節までありますが、私の見た曲集には割愛されており第2節までしか載っていませんでした)。ドイツ語訳が付けれるほどドイツ語を理解しておりません。何かのご参考になるとよいのですが。

[Abschied von der Heimat] (Hoffmann von Fallersleben)

Abschied hab' ich viele,viele vergossen,
daß ich scheiden muß von hier.
Doch mein lieber Vater hat es beschlossen,
aus der Heimat wadern wir.
Heimat,heute wandern wir
heut' auf ewig von dir,
drum ade,so lebe wohl!
by t-hirano (2015-07-27 23:26) 

崎山言世

「ドイツのラウテの歌」というのはどう見られますか。「菩提寺で開く、第五回吉丸一昌顕彰コンサート」というブログに『「故郷を離るる歌」の原曲は?』と題して書かれたものです。
http://kazumasakenshou.blog91.fc2.com/blog-entry-48.html
私はぜひ平野さんにこの歌をめぐる混乱を終止させてほしいと思います。
by 崎山言世 (2015-07-28 05:50) 

t-hirano

私に「混乱を終止」させるだけの力はありません。
私に出来る範囲でみなさんの参考になればと思うところを記させていただきます。
1.「ドイツのラウテ」にいうラウテとは一般にいうリュート(英:Lute)のドイツ語lauteのことで、人名などではありません。またラウテの曲集に入っていたことがドイツ民謡の決め手ではなく、フランケン地方(バイエルン、ドイツの中南東部、ニュンベルク)という記述の方が大切です。
2.原詩については提示いただいたブログには載っていませんでしたので何とも判断しかねますが、Wenn ich an den letzen Abend gedenk(邦題:最後の夜)がもっとも多くみられるように思います。
ただ吉丸先生が訳詞を付けられる際に参照された「原詩」はこの限りではないのでは、と考えています。渡独されたどなたかが、例えばライプツィヒ(童謡もよくするライネッケが教鞭をとっていたので)かどこからか持ち帰られた文献があるように思うのです。しかしそのような資料は確認もできておりませんし、私の力では今後も確認できそうにありません。また崎山さんの研究でそのような事実がありましたら、それは日本の唱歌にとっては大きな事実ですので、多くの方のためにもご提示いただけたらと、私も思う一人です。

by t-hirano (2015-07-28 18:19) 

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